北九州市 放置竹林・竹害について

循環型社会の賑わいづくり
「竹害」から「竹財」へ

北九州の放置竹林について

北九州は竹林の面積が広い市だということをご存知ですか?


20年前は1,050haでした。
(1haとは100×100mで新スタジアム1個分です (ミクニワールドスタジアムピッチは105×65mです))

それが今や1,580haに拡大しました。
4割があっという間に広がったのです。スタジアム1,580個分です。(2016年データ) なんと530個分増えてしまいました。

竹の繁殖力が異常に強く、広葉樹林をじわじわと浸食しているという事実です。
ブナやナラ、クヌギといった広葉樹が落葉することで栄養価の高いミネラル水もでるし大きく張った根で山全体を守ってくれているのです。
広葉樹は根が深く山を守ります。

竹には栄養は少なく自分の中に水をためます。
しかも竹の根はせいぜい50センチくらいの表層にしか地下茎をはりません。
山の保水ができなくなり、良質のミネラル水が出なくなります。
水脈破断を起こすと飲料水や農業用水にも大きな影響がおよびます。
広葉樹林があり様々な動植物が生存することで自然環境が保たれているのです。

浅い地下茎に覆われてしまうと豪雨などの場合表層雪崩のような現象すらおこします。
竹林が増えることで土砂災害があちこちで起こる可能性が高まります。
皿倉山も標高の低いところで竹の浸食が始まりました。

北九州はかつて1942年に洞海湾の酸素がゼロになりました。
【死の海】と呼ばれ魚は住めずグリスが厚く浮いたような海でした。

悪化させた環境を産官学が血のにじむ努力を重ねて60年かかって環境先進首都を標榜するようになれました。
このままでは50年前よりもっとひどい状態になる可能性があります。。
環境首都になった努力は水の泡になるかもしれません。
これ以上放置竹林の侵攻拡大を許してはなりません。

子や孫や10代、20代、100代先の子孫たちから預かっている環境であることを決して忘れてはいけません。

合馬地区における課題

①高齢化の進展
②後継者や慢性的な人手不足
③組合員の減少による助け合い活動の希薄化

かつては300戸近い組合員を数えましたが、毎年減少の一途で現在は両組合を合計しても100人足らずとなりました。
また、高齢化は深刻で平均年齢が70歳以上と長く継続して生産することが極めて厳しくなってきています。
一年を通じて大変に労力のいる厳しい仕事ですからなかなか後を継ぐ人がおらず、自分の代でおわりとおっしゃる生産者も多いのです。

お亡くなりになったりおやめになった後はそれまで整備されていた竹林も放置竹林化していきます。
竹藪は2~3年手を入れないとすぐに手の施しようがなくなるのですが、自分で所有している土地でも市場に出すためのエリアだけ整備するのに精いっぱいでそれ以外は放置。
また他人の山の手伝いもするような余裕が全くなくなっているのが実情です。

タケノコ生産農家に専業はいません。
必ず半農半サラか田んぼ、畑、中には椎茸栽培や花卉、牛の飼育など多岐にわたる兼業を余儀なくされています。

放置竹林とは

  
まず2年から3年何も手を入れなければ竹林はどんどん広がっていきます。
厄介なのは、10年経過した竹は立ち枯れすること。
全く日が入らないうえ日照不足で下草も落ちた葉がたまってしまいます。
他に台風で倒れてしまった風倒竹や密集で3m先も見えないほどびっしりでかつたいへん複雑に絡み合ってしまいます。
ベテランでも危なくて入ることをためらいます。
放置の竹林だけが毎年目に見えて外周の生息域だけ急速に20mも30mも広げているのです。

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